前回のブログ、「二つのセンサーの相関性を調べる(1)」では、二つのセンサー間の測定値の相関性に関してグラフで表示できることを説明しました。今回は、引き続き具体的な方法を説明します。
例えば温度センサーを複数使用して、体育館などの温度を測定するとします。この際、センサーどうしの測定誤差が大きいと、有意なデータを得られない可能性があります。いわばこれは、センサが有するクセ(個性?)のようなものであり、事前に見極めることは重要です。
センサー特性について情報を得るにはいくつかの方法があります。ここでは二つの方法をお知らせします。
一つはデータシートから情報を得る方法です。温度センサのデータシートを見ると ”sensor to sensor accuracy”という項目を目にするときがあります。これは、同じセンサーの異なる個体間での測定誤差で、例えば±〇〇%等と表示されます。
同一メーカー、同一モデルの温湿度センサーを同じ部屋に置いて湿度を測定。二つのセンサーの測定値の適合率は99%以上になっているのがわかる。このグラフはExpression機能で作成した。
最新バージョンのSORACOM Lagoonには、”Expression”という機能が追加されています。この機能は、Lagoonで表示されているデータ(クエリ)どうしを計算させたり、平均・最大・最小値等を式を入れるだけで計算し、グラフ上に表示させることができる大変便利な機能です。
例えば、クエリAとクエリBの比を計算したい場合には”Math”を選択して、$A/$Bと入力すればOKです。ただし、センサーの数値がNullだと計算が出来ません。そのような場合、私は別のクエリで、それぞれのクエリで測定間隔に合わせた平均値を出した上でMathを使う方法を使っています。
設定画面は下の写真のとおりです。
クエリC,DでクエリA,B(この写真には写っていません)に記録されている湿度の測定データの平均値を出しています。そして、C,Dの値を使用してクエリEでセンサー間の測定値の適合率を計算しています。
では、このグラフから実際のセンサーの適合率はどれぐらいになるか見てみましょう。このグラフはある日の12時間の適合率の推移を表していますが、適合率は99.9%から99.5%の間で推移しています。このデータを念頭に置いて、複数の同一センサーで同時にすることは望ましい測定を行う助けになりそうです。
次回は、実際のセンサーの適合率がどのように異なるかを、SORACOM Lagoon で得られたデータを使いながら考えてみたいと思います。
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