すっかり社会に根付いてきた二酸化炭素濃度やIAQの測定器。最近は商業施設やイベント会場などで見かけることも多くなりました。施設やイベントの運営事務局としては、測定結果の表示を一人でも多くのお客様に見て頂きたいと思っていることでしょう。しかし、実際には大型のモニターなど使わない限りご来場のお客様に効果的に測定結果を見ていただくことは難しいようです。
測定結果を来場者に効果的に見ていただくためのユニークな仕組みが、IoT可視化ダッシュボード・SORACOM Lagoonの新機能・スナップショット(Snapshot)機能の自動更新オプションです。必要なのは、大型スクリーンではなく、お客様のスマホ。今回は、実際2021年11月に開催された二つのイベントでの使用例と共に、その便利さをお伝えいたします。
スナップショット(Snapshot)機能で、誰もがダッシュボードを閲覧できる。
スナップショット機能の自動更新オプションは、IoT ダッシュボード「SORACOM Lagoon」の新機能で、第三者に認証なしでダッシュボードを共有するための機能です。2021年10月より提供が開始されました( Pro プランに提供される機能))。
SORACOM Lagoon のスナップショットは、スナップショット作成時点のダッシュボードのレイアウトとデータを丸ごと写し取ったものです。ダッシュボードが直近1時間のデータを表示するように設定されていた場合、ダッシュボードは画面を更新するたびに最新のデータを表示します。一方、そのスナップショットのデータは作成時点のまま変わりません。今回のアップデートで追加された自動更新オプションを利用することで、スナップショットであるにも関わらず、最新のデータを表示できるようになります。ダッシュボードを共有するときと比べて、機能面でいくつかの違いがありますが、このブログでは実際にイベントで使用した点に絞ってお話します。
ダッシュボードの共有準備…URLを発行するだけ。
ダッシュボードを共有する準備はとても簡単です。下の写真共有マーク(①)をクリック、その後②で”Snapshot”を選び、最後に③をクリックするとスナップショット用のURLが発行されます。このURLにアクセスすることによって、誰でもダッシュボードを閲覧できます。注意しなければならないのは、「スナップショット機能の自動更新オプション(Automatically Update (Beta))を有効にする」点です。この設定で、約 1 分おきに自動的にスナップショットを再読み込みして、新しいスナップショットが表示されます。
これだけの作業で、スナップショットを共有する準備は終わりです。
QRコードを使ってディスプレイ
たったこれだけの作業で、ご来場者にとって非常に訴求力の高い可視化の仕組みが出来上がりました。イベント会場などでご来場者が自分のスマホでURLに簡単にアクセスできるように、以下に示す二つのイベントではそれぞれの会場でQRコードを用意しました。
実際のイベント会場での使用例
1)株式会社ツインテック様 @川口市産品フェア
2021年11月に、川口市産品フェアにて、エクステリア/リフォームを主な事業とする株式会社ツインテック様のブースにて、シードプラスのIAQモニター・Emvinoを使用して空気質の測定を行い、ご来場の客様にはご自身のスマホを使って測定状況を確認していただきました。
QRコードをスキャンして、SORACOM Lagoonのダッシュボードを表示・確認したお客様は、「自分のスマホで現在の状況が確認できるのでわかりやすい」との感想を話されていました。IoTという言葉は聞いたことがあっても、実例に触れる機会はまだまだ少ないのが現状です。この展示会で初めてIoTを体感した、という方も少なくありませんでした。
2)株式会社合同会計様 @川口市・川口駅前市民ホール「フレンディア」
おなじく11月に、株式会社合同会計様のお客様向けセミナーが川口市・川口駅前市民ホール「フレンディア」で行われ、コロナ感染症対策としてEmvinoが3台設置(※仮設)されました。
収容人数に対して大幅に少ない人数でのセミナー開催では、同社の感染症対策が何重にも施されました。IAQモニター・Emvinoは、セミナー会場内の換気状況を監視し、お客様やスタッフの安心・安全のために使用されました。
会場にはPCに接続されたモニターから、SORACOM Lagoonのダッシュボードも確認でき、セミナー会場のレイアウト上に3台のEmvinoのそれぞれの数値が表示される仕組みも用意しました。実は、会場でモニターに表示されていたダッシュボードも、スナップショットによるものを使用しました。
お客様は先の例と同じく、会場に貼られたQRコードからダッシュボードのスナップショットを入手し、測定状況を確認していました。
まとめ~お客様のスマホで確認できるメリット
上の例のとおり、SORACOM Lagoonのスナップショットの自動更新機能オプションを使用すれば、不特定多数の方が認証を経ることなく、QRコードをスキャンするだけでダッシュボードを共有できます。実際にイベント会場で使用して、スナップショットは多くの利点をもたらすと感じました。
お客様にとっては、自分のスマホで確認できるので測定器やモニターに接近しての確認が不要になります。また、企業にとっては多数のモニターを設置しなくてもお客様が自分で測定値を確認できるようになります。しかも、そのための投資は先ほどの写真のようなポスターだけです。
スナップショット機能は応用範囲が広く、さらに用途が増えそうです。多くの方がこの機能を通じて、IoTの世界に触れていただければと願っています。
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